メカヘッドの事象観測記録室

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嵐千砂都から澁谷かのんへの感情についての記述とその今後についての想い

こんにちは、メカヘッドです。体調面で優れなかったりと色々ありましたが、少し落ち着いたのでリハビリがてら短めの記事を書いてみたいと思い、前々から語りたかった女性キャラ同士の関係性、というか感情についてまとめていきたいと思います。

今回書いていきたいキャラ間の感情はアニメ「ラブライブ!スーパースター‼」の主人公・澁谷かのんの幼馴染である嵐千砂都が澁谷かのんに抱いている感情についてです。

尚、本記事はラブライブ!スーパースター‼のネタバレを多分に含むので初見でアニメ全部見たいと考えておられる方はブラウザバックするか、もしくは記事の最後尾に有料見放題配信を行っているサイト一覧を載せておきましたのでそちらを参照していただけると助かります。

 

※以下ラブライブ!スーパースター‼のネタバレ注意

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未見の方のための簡単なキャラクター紹介(5話時点)

澁谷かのん(しぶやかのん)

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主人公。幼少期から歌が大好きで、新設校・私立結ヶ丘女子高等学校の音楽科の試験を受けるものの過去のトラウマ故に人前で歌えないという理由により不合格となり、普通科で燻ぶっていたところに留学生・唐可可の出会いによりスクールアイドルを知り、自分がもう一度歌えるようになる場所をスクールアイドルに見出し、唐可可(タンクゥクゥ)とのスクールアイドル活動を経てトラウマを乗り越える。

嵐千砂都(あらしちさと)

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かのんの幼馴染で大親友。昔からダンスが得意で結ヶ丘の音楽科にもそれで入学するほどの技量を誇る。明るく、人懐っこい性格でかのん達のスクールアイドル活動においてもダンス練習のメニューを組む等助っ人的な活動をしているが、何故か本人はスクールアイドル部に入ろうとしない。

キャラ紹介を5話時点のものにしたのは、これから本記事で語る内容である千砂都のかのんに対する感情が描かれ、そこから来る驚くほどに大胆な行動についてが5話とその次の6話、そして11話であるからです。それでは次から話数順に千砂都からかのんへの感情を見ていきましょう。

・5話

ここから各話の紹介に入りますが登場人物の台詞が分かりやすいように色分けしておきます。(かのん:オレンジ 千砂都:ピンク

トップレベルのスクールアイドルユニット・サニーパッションの誘いを受け合宿中のかのんは可可に自身のダンスの大会のために別行動を取っている千砂都のことを話します。それは幼少期に千砂都がかのんにした約束のことでした。幼少期の千砂都は

「私、かのんちゃんの出来ないことを出来るようになる!かのんちゃんの歌みたいに、大好きで、夢中になれるもの、私も持てるようになる!」

そう言って千砂都が始めたのがダンスでした。千砂都が大会に学校代表として呼ばれるほどの実力者になるまでにダンスを真剣に続けたのは、この幼少期からの約束が非常に大きいことが伺えます。ちなみにかのんもまた「そんなちぃちゃんがいてくれたから歌、諦めずに頑張ってこられたんだと思うんだ」と大きな思いを吐露します。本記事は千砂都からかのんへの感情を記述するという趣旨でありますが、このエピソードからも伺えるようにかのんから千砂都への想いもとても強いものがあることを認識しておいていただきたいです。

・6話

幼少期から抱く千砂都からかのんへの感情の全貌が明らかになる本記事での最重要回です。性質上ほぼネタバレになるのでこれから見たい方はご注意ください。この回は女の子3人にいじめられて泣いている幼少期の千砂都の場面から始まります。大事な髪飾りを取り上げられそうになっている千砂都の元にかのんが走ってきて「ちぃちゃんをいじめちゃダメ!良いからちぃちゃんの大事なもの、返しなさいよ!」と一喝していじめっ子たちを追い払います。仕返しを恐れる千砂都に「大丈夫!ちぃちゃんの事は私が守るから!困ったら私を呼んで!」と返されます。それを聞いて千砂都は「このままじゃ嫌だ。いつか、かのんちゃんを助けられるようになりたい。いつか必ず。」と1つの決意をしました。ここから幼少期の千砂都は今のような明るく人懐っこい性格ではなかったことが伺えます。では、一体何が彼女を変えたのでしょうか?

話をいくつか省略し、同じ音楽科の生徒、葉月恋(はづきれん)(彼女も後にスクールアイドル部のメンバーとなります)が千砂都の練習中に彼女のカバンの中に入っていた退学届を偶然見つけてしまったことを話すシーンに飛びます。千砂都は退学届の理由を、「大会で優勝できなかったら、ここを辞めるつもり。決めたんだ。」と切り出します。驚く恋をよそに「海外で修行するのも悪くないなぁ。」とまで言います。恋がその理由を問うと、

「かのんちゃんの力になれないから。それならここでダンスを続けてたって意味ないもん。」

と爆弾発言が飛び出します。意味が分からず困惑する恋に千砂都は幼少期の自分の話とかのんとの出会いについて話し始めます。冒頭のシーンから伺える通り幼少期の千砂都はよくいじめられており、気も弱く、体力もなく、いつも何かに怯えていた少女でした。そしてそこで助けてくれたのがかのんでした。

「かのんちゃんは色んなことを教えてくれた。前に進む大切さだったり、新しいことを見つける楽しさだったり。だからいつか、かのんちゃんの横に立てる人になりたくて。」

そして、ダンスを始めるきっかけだったことがかのんであることもここで明言されます。

「かのんちゃんの力になるには今の自分じゃダメだって、かのんちゃんの出来ないことを1人で出来るようにならなきゃって。」「1人で結果を出して自分に自信を持てるようになりたい。それまでは、かのんちゃんと一緒に何かやるのは止めようって。」「ダンスで結果を出して、かのんちゃんの力になれるって自分で思えるまでは。」

千砂都は自分を救ってくれて、色々なことを教えてくれたかのんの横に立って、力になれる自分になれたと思えるまでは、かのんと何かをするのは止めて1人で頑張り続けるといういつになるかもわからない途方もない道をたった1人で覚悟を決めて歩いていたのです。5話の約束の意味もそれを表しており、大げさなことではなく幼少期に決意してから、ダンスを実力者になるまで努力したことも、その実力で音楽科に入学したことも、全てかのんの隣に立つためであり、

「彼女の人生の大半は澁谷かのんという1人の人間のために捧げられている」

というとんでもない事実とその裏にあるかのんへの大きな想いが浮かび上がってきます。幼少期から親でもないたった1人の人間のために人生をかけられるってとんでもないことではありませんか!?幼馴染に対してこんなに重い感情を抱いている女子高生をNHKEテレの日曜19時というゴールデンタイムでお出ししてよかったのでしょうかと今でも思っています。

話は本編に戻り、恋の元を去り大会に向かい会場で1人かのんに頑張ってくるとスマホでメッセージを送るも、どこか不安気な千砂都。実は千砂都と恋との会話のシーンの前、大会前日にかのんと千砂都は電話で話すも、どこかぎこちない形で通話を終えてしまっていたのでした。しかし、かのんが「ごめんね」「気がつかなくて」と返信が返ってきたと思えば、なんと合宿で離島にいたはずのかのんが大会の会場まで駆けつけてきたのです。かのんは前日の電話で千砂都の不安を感じて、会場まで駆け付けたのです(わざわざ離島から!)。しかしかのんに頼らず1人でやろうと思っていたのに弱気になっていた自分を責める千砂都。そんな彼女にかのんはこう告げます。

か「だったら私も思ってた、ちぃちゃんに助けてもらってばっかりだって。歌えなかった時、失敗した時、いつもちぃちゃんが助けてくれた。」

「それはかのんちゃんがいたから。」

「じゃあ2人一緒だね。2人とも頑張ってきた。お互いがお互いを見て、お互いを大切に思って。私ね、あの時本当に感激したの。全身が震えた。(5話の約束の回想)なんてカッコいいんだろうって、わたしもちぃちゃんのこと見習わなきゃって、真似出来ないくらい歌えるようにならなきゃって。ありがとう、あの言葉があったから私、今こうして歌っていられる。」

自分も千砂都に助けられてきた、幼少期のあの約束の言葉で自分は今こうして歌っていられるんだと伝えることで1人じゃなくていつだって2人で頑張ってきたと彼女を勇気づけて大会本番へと送り届けました。

結果はもちろん優勝。かのんとスクールアイドルをやるために普通科への転科届を提出して、島に戻り一緒にパフォーマンスを披露するのでした(この辺のスピード感が物凄い)。

まとめると、嵐千砂都は澁谷かのんに人生を捧げて生きてきたという驚愕の事実と、澁谷かのんはそれにちゃんと答えられるだけの大きな器を持つ互いに強く想い合っている幼馴染であるという強い関係性が見えてくる回でした。

ちなみにこの回の最後のライブパートで流れている曲「常夏☆サンシャイン」はかのんが千砂都の事を思って作った曲で、歌詞を見てもらえればその感情の重さが伺えると思いますので、まずはこちらの動画で1コーラス分だけでも聴いていただいて、もしサブスクなどフルで聴ける環境がある方は聴いていただけると嬉しいです。


www.youtube.com

常夏☆サンシャイン

常夏☆サンシャイン

  • 澁谷かのん (CV.伊達さゆり)、唐 可可 (CV.Liyuu)、嵐 千砂都 (CV.岬 なこ)、平安名すみれ (CV.ペイトン尚未)
  • アニメ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

2人結ばれてるに決まってるじゃんこんなの……。(私が歌詞を見た感想です。

・11話

メンバーも揃い、ユニット名も「Liella!(リエラ)」に無事決まってラブライブ!(スクールアイドルの全国大会的なもの)東京大会予選も無事通過という順調な歩みを見せるかのん達。この回をピックアップした理由はかのんが本当の意味で歌えないトラウマを克服する回であり、その為に千砂都がとった行動が今後(2期以降)の不安を想起させるものだったからです。

話はかのんと千砂都の母校の小学校からLiella!に歌って欲しいという依頼が舞い込んでくるところから始まります。承諾するもかのんの気は重く、何やら練習中に考え込んでいました。実は今回立つ母校の小学校のステージは当時小学生で合唱部だったかのんがその発表会で倒れ、その後人前で歌えなくなるというトラウマの原点となった場所なのでした。その事実を知っていた千砂都はかのんには内緒で他のメンバーを呼び集め、その事実を伝えました。他のメンバーは今あれだけ歌えているのだから大丈夫と揃って口にしますが、かのんは繊細な所があるからと不安が拭い切れない千砂都。恋は一度下見を提案し、かのんの様子を見ることにしました。ステージに立ちかのんに歌うように伝える千砂都。かのんは歌う準備をするが少し手間取る。しかし他のメンバーが手を取り全員で歌い始めることが出来ました。そんな中ラブライブ!東京大会の課題が発表されます。その内容は独唱。歌を聴かせるパートを入れることでした。メンバーは当然歌唱力の高いかのんにその課題を任せることで満場一致となります。しかし千砂都はその夜たこ焼き屋のバイト中、居合わせた可可に「やっぱりこのままじゃダメだよ!」と告げます。彼女が言うには「今のかのんちゃんはみんながいるから、1人じゃないって思えているから歌えている」と告げそれの何がいけないのかと反論する可可に「それって本当に歌えることになるのかな?今みたいな不安は消えないんじゃないかな?」と疑問を呈します。そこで千砂都は他のメンバーと口裏を合わせて用事があって小学校には行けないと告げ、かのんを1人で小学校に行かせることにしました。「酷いです…あんまりです…。」「気持ちは分かるけど......。」とかのんを1人にすることに乗り気でない他のメンバーに対して千砂都はこう告げます。

「私、小さい頃は何をしても上手くできないと思ってた。自分は何をやってもダメで、すぐ諦めてた。」(ここで小さい時一緒に縄跳びの練習をしていた時のかのんの笑顔を思い出す回想が入る)

「あの笑顔はね、元気になる笑顔。安心して勇気が出て、見ている人が心から嬉しくなる笑顔。私の知ってるかのんちゃんは、そんな笑顔を持っていたんだ。だから今、あの時のかのんちゃんを取り戻すことが出来たら。辛いことや、上手く行かないことを一杯経験したかのんちゃんがあの時の気持ちを取り戻せたら、誰にも負けないって。」

ラブライブ!どころじゃない、飛び越えて世界一、いや、すみれちゃんが言うみたいに、銀河一にだってなれる!私は、嵐千砂都は信じてる、澁谷かのんを。」

誰よりも澁谷かのんという1人の人間を信じているという千砂都の最早信仰と呼んでも過言ではないぐらいの信頼ぶりに凄まじさを感じます。それ故、1人でも歌えると因縁のステージに1人で送り出したのです。

そして当日、結局かのんから隠れて見守る事となった他のメンバーがいる中1人でステージに立つ直前のかのんは千砂都に電話をします。

「ちぃちゃん、ありがとね。私、みんながいたから歌えてた。それでいいと思ってた。でも、それじゃダメなんだよね。誰かを支えたり、力になるためには、ちぃちゃんが頑張ったみたいに、1人でやり遂げなきゃいけないんだよね。」

「うん、それに1人じゃない。いるはずだよ、あの頃のかのんちゃんが。歌を全世界に響かせようとしてた、かのんちゃんが。」

そして小さい頃の自分の恐怖心と向き合ったかのんは、見事に1人でのステージを歌い上げました。

結果として、小さい頃の自分の恐怖心を受け止めて、ステージを成功させることが出来たかのんですが、それでも万が一という事があり得る以上、いくら信頼しているとはいえ「人前で歌えなくなったきっかけとなったトラウマのあるステージにかのんを1人で立たせるという行為」は、賭けに等しい荒療治だったのではと私は思います。一体何故このような危ない橋を渡る行為に及んだのでしょうか?

それは先ほども言ったように千砂都の澁谷かのんという1人の人間にとっての最早信仰の域に達している程の大き過ぎる信頼によるものだと思います。千砂都にとってかのんは、1人では何もできなかった幼少期の自分を決定的に変えてくれた存在で、彼女のためなら人生をかけても構わないと思っている程の大きな存在です。彼女の中には理想化した幼少期の「私のかのんちゃん」が絶対的な存在として君臨しているのです。実際に千砂都が幼少期のかのんを理想化している様子は、先ほど引用した「だから今、あの時のかのんちゃんを取り戻すことが出来たら」という台詞にも表れています。だからこそ「私を変えてくれたあの時のかのんちゃん」なら絶対に出来ると信じて1人でステージに送り出したと考えています。

・まとめと今後の懸念

各話でまとめると、嵐千砂都から澁谷かのんへの感情は「何もできなかった小さい頃の自分を変えてくれた大切な幼馴染で、かのんの横に立って力になるためなら自分の人生を捧げても構わない」という莫大な大きさを持ったもので、だからこそ絶対に信頼しているし、かのんも千砂都との約束があったからこそ今も歌えていて、彼女の言う通りお互いがお互いを見て、お互いがお互いを大切に思っている理想的な関係性に思えます。

しかし、11話の千砂都の危うい行動が示すように千砂都は「自分を変えてくれたあの頃のかのんちゃん」という理想像が大きくなり過ぎて今のかのんにその理想像を押し付けているのではないか?という疑念が私の中には残っています。今の所千砂都の理想像にかのんはしっかり応えているので顕在化はしていませんが、もし2期以降でスクールアイドル活動を通じてかのんが千砂都の望まない方向に変化してしまったら一体千砂都はどのような行動を取ってしまうのだろうか?という懸念をしてしまいます?そう考えると、理想的な関係性に見えて、実は危ういバランスの元成り立っている関係性ではないだろうかと私は考えています。

ラブライブ!スーパースター‼は本日紹介した2人以外にも魅力的なキャラクターと彼女たちが織り成す関係性がありますので、2期が決定した今、1クールで配信サイトも多い(後述)ので興味を持った方はそれまでに見ていただけると嬉しいです。

最後にかのんと千砂都の2人に向けて思っていることを吐き出させていただいて本文の締めとさせていただきます。

正直2期以降不安な要素があるしどんな困難が降りかかるか分からないけど、2人でそれを乗り越えて最後まで添い遂げて欲しい……。

 

アニメ公式サイト:

www.lovelive-anime.jp

・視聴方法(有料見放題配信)

その他TSUTAYA等でレンタルも可